交通事故の慰謝料問題を裁判所を利用して解決する方法とかかる費用について

交通事故の慰謝料問題を解決する方法は示談以外にも裁判所を利用する方法があります。

調停とは調停委員が間に入って話合いによって解決する方法

調停とは、示談交渉がうまくまとまらない時に、簡易裁判所の調停委員会が間に入って加害者と被害者が話し合い紛争を解決する方法のことをいいます。第三者が間に入るので、譲り合いの精神が求められます。調停を利用する際には、次の4つ点に注意しましょう。
1つ目は、調停を利用したほうが良いケースを紹介します。まずは、示談交渉が決裂した時です。次に、交渉相手が保険会社・弁護士である時です。そして、弁護士を頼まない時です。最後に、相手に資力がない時です。相手に資力がない場合、一括で払うことは不可能なので分割払いを請求して補償を受けることができます。
2つ目は、本人・家族だけでできます。そして、調停の場に本人がいる必要はないので、代理人として家族が出てもよいことになっています。しかし、そのぶん書類の準備に多くの時間を費やします。事故証明書などの必要書類はあらかじめ用意しておくことが必要です。
3つ目は、通常、相手方の住所地を管轄する簡易裁判所で調停が行われます。しかし、交通事故のうち人身事故の被害者が調停を起こす場合は、被害者の住所地を管轄する簡易裁判所で調停を行うことができます。
4つ目は、調停の進行は調停委員会が行います。調停委員会のメンバーは裁判官1名と調停委員2名以上で構成されています。そして、調停委員会は双方の意見を聞いて「調停案」を出します。これに従う義務はありませんが、調停案を繰り返し拒否(2回ないし3回)していれば、訴訟となります。
調停が成立すれば、調停調書が作成されます。この調書には判決と同じ効力があるので、約束事が守られていない時は強制執行を行うこともできます。一度合意したら変更できないので、焦らずに慎重に判断しましょう。

示談でも調停でも解決しなかった場合は裁判で解決する

示談も調停でも解決することができなかった場合、最後の方法として訴訟があります。訴訟には、少額訴訟と通常訴訟の2つがあります。少額訴訟は、60万円以下の請求であれば、簡易裁判所に申し立てをすることによってできます。これは、原則として、1回の審理で解決できるので、時間も費用もあまりかかりません。
通常訴訟は、地方裁判所に訴状を提出することによって開始します。法廷では、原告(被害者)と被告(加害者)が自分の言い分を主張したり、相手の言い分に対して反論したりします。また、自分の言い分が正しいことを証明するためには証拠の提出が必要となりますので、あらかじめ書類を用意しておくことが必要となります。
これら一連の流れが終了すると、裁判所は判決を出します。判決は最も効力がありますが、判決に不服があれば、控訴・上告もできます。一般的に、訴訟を提起してから判決を得るまで1年ないし2年はかかると思います。さらに、控訴や上告を行えば、そのぶん時間も費用もかかります。
しかし、訴訟を提起したからといって全ての訴訟が判決まで進むわけではありません。特に、交通事故の場合、訴訟の途中で和解によって解決していくこと多いようです。これは、法廷で互いの主張をしている中で、争点が明らかになり双方が歩み寄る傾向にあるからです。また、和解に持ち込みことができれば、判決より早く解決するメリットがあります。
先ほど判決は最も効力があるといいましたが、敗訴側(加害者)にとっては不満となることが多いので支払いがなされないケースもあります。しかし、和解の場合は加害者自身で決めたことなので、しっかりと支払いをしてくれる期待があります。なお、和解成立後は和解調書を作成しますが、この調書は判決と同じ効力があります。
訴訟を提起するかどうかは弁護士とよく相談しながら進めるようにしましょう。決して弁護士任せにはせずに、自分にとって一番納得がいく選択肢を選びましょう

交通事故の慰謝料問題の裁判にはどのぐらいの費用が必要になるのか?
裁判に必要な費用には、訴訟費用と弁護士費用があります。訴訟費用は主に印紙代があります。印紙代は請求金額に応じて金額が変わります。例えば、500万円の請求金額であれば印紙代は3万円となり、1,000万円の請求金額であれば印紙代は5万円となります。また、これに加えて、郵便切手代も発生します。
弁護士費用には、着手金と報酬金があります。着手金とは、弁護士に事件を依頼したときに発生する費用です。着手金の相場は20万円~30万円前後ですが、弁護士事務所によっては無料のところもあるので事前に調べておきましょう。なお、以前は着手金の基準が統一的にありましたが、現在では個々の弁護士に任せられています。
報酬金とは、依頼の目的を達成して事件が終了したときに発生する費用です。報酬金は弁護士によって違ってくるので、あらかじめ確認・把握しておきましょう。報酬金は、損害賠償金額で支払えば済みますが、着手金は先に支払わなければならないので注意しましょう。また、弁護士費用はこの他にも相談料(1時間1万円など)があります。
裁判に要する日数はおよそ1年です。そして、控訴・上告をすれば、そのぶん時間も費用も多くかかります。しかし、裁判進行中に和解に入るケースが多いので、早く解決することができます。日数がどれくらいかかるかは本人の意思による部分が大きいと思うので、弁護士とよく相談していきましょう。
弁護士費用は、弁護士によって違ってきます。弁護士を選ぶ際は、費用も大事な判断材料になるので、信頼できる弁護士を見つけるためにも、費用について聞きたいことがあれば遠慮せずに聞くことが大切です。